ノマドは辛そうだ(長期出張のつらさ)

一昨年は、3ヶ月、昨年は4ヶ月、今年に入ってから1ヶ月の長期の海外出張があった。長期出張が多いと、場所を転々としながら、カフェで仕事をする、いわゆる「パーシステント・トラベラー」とか、本当の意味での「ノマド」的な気分になることある。
でも、これはすごく辛い。

最初の1週間は良いけども、1ヶ月ぐらいで、「私物」が無い事が辛くなってくる。例えば私の場合は、漫画の蔵書が家に一杯あるけども、それが身の回りに無い生活が1ヶ月も続くと、地味にキツイ。おそらく誰でも、趣味の物を持っていて、それと共に生活している。そういうのは「無くても大丈夫」な物だけど、それが無い生活をずーーと続けると、きつくなってくる。

となると、当然ながら一番キツイのは、友人・家族に会えないこと。僕は交際範囲も広いわけじゃ無く、元々、孤独耐性が強いので、そこは大丈夫なんだけども、普通の人にはキツイと思う。

一方で、私はバックパッカーと登山を趣味としているので、カバン一つで、いろんな所を転々とする楽しさはすごく分かる。でもこれは、「明日の事を考えないで良い自由」とセットだから楽しいんだと最近気付いた。「バックパッカーで海外を転々としながら、ネットで日本の仕事をする」とか、ずっと前から夢見ていることだけど、仕事だと絶対キツイはず。もっとも、半年単位で巣を張れる場所があれば違うだろうけど。

なので、毎日、出勤するオフィスがあって、帰る家があって、という状況が、結局は仕事をするには重要なんだなぁ、などと当然の事をロンドンで感じました。

アメリカのコミック市場

ちょっとした理由でアメリカのコミック市場を調べてたら、数字の少なさに驚いた。
$640 million (526億円)しかないらしい。日本では、2717億円。

US書籍市場は全体で$15,530 million (1.28兆円)、日本の書籍市場全体は1.11兆円なので、
USでは 4.1%、日本では 24% がコミック市場ということになる。日本、コミック多すぎ。。

USのコミック市場の参考資料: http://www.icv2.com/articles/news/24118.html
日本の書籍市場の参考資料: http://www.oricon.co.jp/news/ranking/2006093/full/
USの書籍市場の参考資料: http://www.fonerbooks.com/booksale.htm#Book

漫画紹介3 ナチュン

ナチュン(1) (アフタヌーンKC)

ナチュン(1) (アフタヌーンKC)

近未来の沖縄で海上・深海で働く人たちを中心として物語が進むSF!。SFでこんな世界観、見たことが無い。

冒頭あらすじ

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主人公、石井は大学の図書館でイルカのビデオを見たところ、そのビデオに人工知能を開発するための秘密が隠されていることに気付く。そこで、イルカを観察すべく、日本を転々とし、最終的に沖縄の離島で観察することとなった。そこで漁を手伝いながら、イルカの観察を続けるが、離島で起こる様々なトラブルに巻き込まれる。

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と書くと普通なのですが、その後の舞台展開がスゴイ。深海、マフィア、宗教、コンピュータ、もうSFとしての要素が盛りだくさんで展開していきます。
しかもそれを、離島の閉鎖的な普通の漁師の生活の上で、しっかりとSFをしているという作品です。

以下で1話が試読できるようです。(プラグインのインストールが必要ですが)
http://kc.kodansha.co.jp/content/top.php/1000002588

(ちなみにだいぶ前に最終巻が既に出ているのですが、まだ未入手です。。近々、取り寄せようかと。。)

漫画紹介2 バクマン。


※ 上記アプリのストアから「バクマン」を探すと見つかります。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

ジャンプの漫画なので紹介するまでも無く知っている方が多いと思いますが、ジャンプのiOSアプリが出た記念に、「バクマン。」を全巻買って読んでみました。

話は、マンガ家を目指す中学生二人の話。リアルなマンガ業界の話を舞台に戦うバトルマンガといった感じ。

以下、冒頭部のあらすじ。

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普通、マンガ家というと作者がストーリーも絵も考えて描くものだが、「バクマン。」では原作者と作画の二人で作り上げるのを目指す。
主人公の真城は絵が少しうまくて、クラスのかわいい子に片思いしている普通の中学生。
当然、マンガ家になる気など無かったが、マンガ原作家を目指す高木に一緒にやろうと誘われる。真城にそんな気は無く断るが、その夜、高木が真城の片思いの相手の亜豆に「マンガ家になる」と告白してしまう。一方、亜豆は声優になるという夢を持っていて「真城くんたちのマンガがアニメになったら、ヒロインの声優になる」と約束をする。そこで真城は思いあまって「夢が叶ったら結婚しよう」と告白し、二人の夢が叶うまでは専念するため直接は会わないでおこうと約束をするのだった。

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という、強引な冒頭なのだが、その後はストーリーを展開しながら、淡々とマンガのネーム(下書き)の書き方、出版社の仕組みなどの話が続く。ここで、漫画の書き方や出版の仕組みを知る事ができ、興味深い。
そして、ジャンプに持ち込みが始まると、ジャンプの内情の暴露話が始まる。ここがかなり面白く、持ち込みから読み切りの掲載、連載にいたるまでの流れや、読者アンケート至上主義の現状、さらには新人マンガ家の給料の金額まで描かれている。

といっても、暴露があるあから、このマンガが面白いわけじゃない。中学生の頃に持っていた夢が、挫折をしながら、少しづつ叶っていく、そういうのをとにかく、やたらとリアルに描いている。もっとも、それは当然だ。本当に(おそらく)ジャンプ編集の実際のシステムと同じなのだから。そういう話の細かさが、本当にこういう人たちが沢山居るんだろう思わせる。
さらに、徹夜して締め切りに間に合わせる、このままではマズイけどなにをしたら良いか分からない、担当の編集者とそりが合わない、などなど、マンガ家に限らず多くの人が経験する壁や苦労を描いている。
それでも、とにかく真城と高木はがんばり続けているので、「あぁ、最近こんなにがんばってないな。。もっとがんばらないと。。」と思ってしまった。

他のキャラクターも皆、とにかくがんばっている。他のマンガ家も編集も、それぞれがそれぞれの立場で助け合い、時にライバルとなり、そして、必死にマンガを描いている。(一部例外も居るが。。)

ただのマンガ家サクセスストーリーではなく、、というかそんな話では全然無く、二人の少年が、ただただ、がむしゃらにマンガを書いている話。

以下余談。
ジャンプの暴露話は、ネットでは良く書かれているような話。えーー、と思うことは描かれていない。個人的には、異常に読者アンケート至上主義に描かれているけれども、実際はどうなのかな?というところが気になったぐらい。

ちなみに、お金の話、新人だと1ページ約9000円らしい。週によって掲載ページが違うが、月に100万円ほどの収入になる。(ただし、年間契約を別に結んでいるので、歩合以外にも固定給があると思われる。)
ただし、ここからマンションの家賃、アシスタント代、そのた経費が必要となる。。アシスタント代も描かれていて、新人だと月16万、ベテランだと月38万ぐらいらしい。バクマン。では、最初は3人雇っているので、その他経費も考えると、月100万円はすぐになくなる。もちろん、後で印税収入が入るので、赤にはならないだろうが、最初は自転車操業なんだと思われる。まぁ、この辺は作中ではあまり描かれていない。

あと、普段は地味な編集者の活躍というのもよく描かれているのも面白い。編集者は作者との対立や契約面などから、ネット上だと批判されることも多いようだが、多くの新人を育て、出版業界を盛り立てているのは、多くの名編集者の力なんだなと思えた。実際、日本の出版業界で毎年、若い新人がタケノコのようにニョキニョキと出てくるのは、編集者の力は大きいわけだし。

雑誌が売れなくなって、今まさに、業界が大きく変わりつつあるところだけども、良いところは維持したいところです。

# 今回は面白くかけましたかね。。

10/21 追記:適宜、文書を修正しています。

漫画紹介1 プラネテス

Twitter でサントラ紹介をはじめたのに加えて、ブログで漫画紹介もはじめようかと。ずーっとほったらかしていた引っ越しの段ボールを開けて整理をはじめたからなんです。。

1つめは、プラネテス

プラネテス(1) (モーニング KC)

プラネテス(1) (モーニング KC)

あらすじはAmazonのコメントに譲ります。。
http://www.amazon.co.jp/review/R1O6GC6SDQ1QEA/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4063287351&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books

これはNHKでアニメにもなってるんだけども、アニメの方がずっとおもしろい。でも、僕はコミックの方もかなり好きなので、1つめに紹介。

話の肝は夢と愛の葛藤みたいな話。まぁ、中2病的な話。
ただ、その夢は宇宙船を持つことだし、働いているところは宇宙という事で、かなり男の子の夢が詰まったような設定になっている。

で、その夢を叶えるはなしかというと、そうではなく、これっぽっちも叶わない。
結局、こどもの頃に見てた夢なんて非現実的だし、実現不可能、みたいな受験勉強や就活している時や新入社員の時に気付いてしまう葛藤を描いていると思う。
実際にはそれにきづいてもたいした葛藤は無いんだろうけど、そこはハチマキ(主人公のあだ名)なので、もがきまくる。そして妄想ではない夢を見つけていくという話。

おっと、これだと愛の方の話をしていない。主人公のハチマキは「夢」ばっかりを担当するモノだから、「愛」の方はヒロインの「田名部 愛」が担当する。これまた、中2病的な理想的な愛を持っている。ただ、こっちは漫画の中では理想が大きく崩れるという話にはなっていないんだけども。(アニメの方がその辺はうまくまとまってる)

他のメインキャラクターの2人も、それぞれ中2的な理想論をもっているけれども、それと戦ったり崩れたり、そういう話。

若者の活字離れなんて本当に起きているのか?平成23年度版

以前にブログで、読書人口のグラフを出したのですが、 平成23年度の結果が出ていたので、比較してみました。

平成18年のグラフについての記事
http://d.hatena.ne.jp/ikeyasuki/20120206#1328483438

平成18年と23年の比較

平成23年のデータ(表41-1 男女,ふだんの就業状態,年齢,趣味・娯楽の種類別行動者数)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001039114&cycode=0

平成18年のデータ(表60-1 男女,ふだんの就業状態,年齢,趣味・娯楽の種類別行動者数)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001008009&cycode=0

きれいに右に、5年シフトしています。その結果として、ピークは、35〜44歳に変わりました。
ただ、全体で、5% ほど趣味としての読書人口は減少しています。趣味が多様化したからなのか、統計になんらかのバイアスが掛かってしまっているのか、これだけではなんとも言えませんね。

ライトノベルで、10代の読書人口は増えていると思ったのですが、とくにグラフの形に変化はありませんでした。
なので、面白いのは、10〜14歳が増えていることです。いったい何を読んでいるんでしょう。

もうちょっと考察したいですが、取り急ぎ。