漫画紹介2 バクマン。


※ 上記アプリのストアから「バクマン」を探すと見つかります。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

ジャンプの漫画なので紹介するまでも無く知っている方が多いと思いますが、ジャンプのiOSアプリが出た記念に、「バクマン。」を全巻買って読んでみました。

話は、マンガ家を目指す中学生二人の話。リアルなマンガ業界の話を舞台に戦うバトルマンガといった感じ。

以下、冒頭部のあらすじ。

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普通、マンガ家というと作者がストーリーも絵も考えて描くものだが、「バクマン。」では原作者と作画の二人で作り上げるのを目指す。
主人公の真城は絵が少しうまくて、クラスのかわいい子に片思いしている普通の中学生。
当然、マンガ家になる気など無かったが、マンガ原作家を目指す高木に一緒にやろうと誘われる。真城にそんな気は無く断るが、その夜、高木が真城の片思いの相手の亜豆に「マンガ家になる」と告白してしまう。一方、亜豆は声優になるという夢を持っていて「真城くんたちのマンガがアニメになったら、ヒロインの声優になる」と約束をする。そこで真城は思いあまって「夢が叶ったら結婚しよう」と告白し、二人の夢が叶うまでは専念するため直接は会わないでおこうと約束をするのだった。

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という、強引な冒頭なのだが、その後はストーリーを展開しながら、淡々とマンガのネーム(下書き)の書き方、出版社の仕組みなどの話が続く。ここで、漫画の書き方や出版の仕組みを知る事ができ、興味深い。
そして、ジャンプに持ち込みが始まると、ジャンプの内情の暴露話が始まる。ここがかなり面白く、持ち込みから読み切りの掲載、連載にいたるまでの流れや、読者アンケート至上主義の現状、さらには新人マンガ家の給料の金額まで描かれている。

といっても、暴露があるあから、このマンガが面白いわけじゃない。中学生の頃に持っていた夢が、挫折をしながら、少しづつ叶っていく、そういうのをとにかく、やたらとリアルに描いている。もっとも、それは当然だ。本当に(おそらく)ジャンプ編集の実際のシステムと同じなのだから。そういう話の細かさが、本当にこういう人たちが沢山居るんだろう思わせる。
さらに、徹夜して締め切りに間に合わせる、このままではマズイけどなにをしたら良いか分からない、担当の編集者とそりが合わない、などなど、マンガ家に限らず多くの人が経験する壁や苦労を描いている。
それでも、とにかく真城と高木はがんばり続けているので、「あぁ、最近こんなにがんばってないな。。もっとがんばらないと。。」と思ってしまった。

他のキャラクターも皆、とにかくがんばっている。他のマンガ家も編集も、それぞれがそれぞれの立場で助け合い、時にライバルとなり、そして、必死にマンガを描いている。(一部例外も居るが。。)

ただのマンガ家サクセスストーリーではなく、、というかそんな話では全然無く、二人の少年が、ただただ、がむしゃらにマンガを書いている話。

以下余談。
ジャンプの暴露話は、ネットでは良く書かれているような話。えーー、と思うことは描かれていない。個人的には、異常に読者アンケート至上主義に描かれているけれども、実際はどうなのかな?というところが気になったぐらい。

ちなみに、お金の話、新人だと1ページ約9000円らしい。週によって掲載ページが違うが、月に100万円ほどの収入になる。(ただし、年間契約を別に結んでいるので、歩合以外にも固定給があると思われる。)
ただし、ここからマンションの家賃、アシスタント代、そのた経費が必要となる。。アシスタント代も描かれていて、新人だと月16万、ベテランだと月38万ぐらいらしい。バクマン。では、最初は3人雇っているので、その他経費も考えると、月100万円はすぐになくなる。もちろん、後で印税収入が入るので、赤にはならないだろうが、最初は自転車操業なんだと思われる。まぁ、この辺は作中ではあまり描かれていない。

あと、普段は地味な編集者の活躍というのもよく描かれているのも面白い。編集者は作者との対立や契約面などから、ネット上だと批判されることも多いようだが、多くの新人を育て、出版業界を盛り立てているのは、多くの名編集者の力なんだなと思えた。実際、日本の出版業界で毎年、若い新人がタケノコのようにニョキニョキと出てくるのは、編集者の力は大きいわけだし。

雑誌が売れなくなって、今まさに、業界が大きく変わりつつあるところだけども、良いところは維持したいところです。

# 今回は面白くかけましたかね。。

10/21 追記:適宜、文書を修正しています。