事業仕分け

# 自分のmixiに書いた日記から転載です。

今回の事業仕分けの結果には、イライラしてる理系、工学系の人も多いのではないでしょうか。

僕もそうなので、ちょっと調べて見た。議論の全てを聞く訳にはいかないので、話題のスパコンだけ。(70分ある。全部聞き終わった時は、自分は暇人だと自己嫌悪)

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まず、マスコミの言うように、素人ばっかりな訳じゃない。仕分け人には、計算機科学の金田康正先生がいる。
恥ずかしながらお名前は今回知ったが、πの計算で有名な方らしい。

聞いてると、金田先生はかなり正しい事を言われているように思う。
ようは今更、国家規模の大規模計算機センターに意味はあんのかと。直接は言ってなかったが、東工大TSUBAMEのようなので良いのではないか、みたいな事を言ってた。
(TSUBAMEは「みんなのスパコン」を掲げて作られた、安くて高性能なスパコン)

それと、金田先生は、一刻も早く、10PFlopsに到達するのは重要。一位は重要じゃないという立場。二位で良いなんて言ってない。

まぁ、その他の仕分け人にはとんちんかんな事を言う人も多かったが。

てか、結論は最初から主計の論点整理で出ていて、

「システムの大幅な変更があったから、仕切り直しが適当。」
(どんな変更かというと、最初は富士通、日立、NECの共同開発だったのに、途中で日立とNECが抜けた。細かい話はめんどいので略)

という主計のシナリオ通りの議論だった。まぁ、シナリオなしで議論するのは難しいので、あるのは仕方ない。でも、仕分けが財務省の茶番劇というマスコミの話は、まぁ正しいのかもしれない。

もっとも、スパコンは、全体的に、計画の悪さがぷんぷんしていたので、来期の一部凍結は止む無し、という雰囲気になるのは分かる。

てな感じで、マスコミの言うような、「生活優先だから、科学技術振興は後回し」みたいなバカな議論をしてた訳ではない。

それが分かったので、とりあえず満足。
個人的には、スパコンの話にかぎらず、本当に必要な予算ならそのうち復活すると思っているので、イライラは収まった。(その程度には、この国の官僚は信用して良いはず。)


てか、この計画の本当の問題は、富士通ITゼネコンになっちゃってて、割高な事だと思うんだけども、議論では触れられてないのが気になる。

技術的には、金田先生の言う通りな気がしている。CPUがコモディティ化したから、巨艦主義で作る意味は、以前ほどないのかも。
(ハードウェア的な技術革新は限定的。もっとも、スパコンのシステムソフトウェアの進化やアプリケーションは伸びしろがあるかな)