グルジア?

オリンピックが始まったというのに、グルジアとロシアが戦争状態になったというニュースが流れた。

とはいっても、「グルジア?」という感じだったので、ちょっと調べてみた。
調べてみたところ、状況が複雑な感じなので、思考訓練(というより情報をまとめる訓練とぐぐる訓練?)のために、まとめてみた。

これは、ただの練習で、間違っている点も多々あると思われますのでご了承ください。ご指摘・ご批判は歓迎します。

地政学的に


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グルジアはここ。
隣国は、「トルコ」「アジェルバイジャン」「アルメニア」そして、「ロシア」。

見ての通り、地中海と黒海の間、ロシアとヨーロッパの間、交通の要所。

交通の要所の宿命として、複数の民族が入り乱れている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Caucasus-ethnic_en.svg

キープレイヤー1:アゼルバイジャン

今回のグルジアでの武力衝突のためには、グルジアよりも先にアゼルバイジャンを知る必要が有る(かも)。
アゼルバイジャンには、バクー油田があり、世界にとって重要な産油国

アゼルバイジャン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3

アゼルバイジャンの石油産業
http://en.wikipedia.org/wiki/Oil_industry_in_Azerbaijan

アゼルバイジャンの原油生産数(凡例が消えてて読み取れないが)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/2/2f/Oil_production_az.gif

アゼルバイジャンの原油生産数を見ると、今後急激に増えるように見える。(このグラフはラベルが欠落しており、かつソースが示されていないので怪しいが。。。)

アゼルバイジャンの隣国は、「グルジア」「アルメニア」「イラン」「ロシア」。

問題は、産出した原油をどうやって米欧またはロシアに輸出するか。これについては、後で。

キープレイヤー2:グルジア

民族が入り乱れているため常に独立と自治にさらされてきた。これについては今回のと重要な点ではないため、省略。

グルジアの思惑は、


最近の状況は以下の通り

  • グルジアは国内の独立勢力をつぶしたい。そのために米欧に協力を求めているが、あまり協力してくれない

そこで、グルジアは以下のカードを使い、ロシアとの関係悪化を演出。

  • グルジアNATOへの加入をほのめかしている。これは、ロシアにとって非常に都合が悪い(らしい)

以上のことから、国際社会の関心をグルジアに向けようとした。

キープレイヤー3:パイプライン

アゼルバイジャンパイプライン争奪戦
http://chiezou.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E4%BA%89%E5%A5%AA%E6%88%A6


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地図にはグルジアを通るルートしかし示されていないが、他に2つある。つまり

  • 西ルート(グルジア黒海スプサ港から船)
  • トルコルート(地図のやつ、地中海ジェイハン港から船)
  • ロシアルート(チェチェン→ロシア→黒海ノボロシスク港から船)

この3つの綱引き合いがある。

キープレイヤー4:ロシア

細かいことは置いといて。

ロシアの思惑は

  • 原油
  • ロシアから独立する勢力を認めない

つまり、グルジアとロシアとの距離、関係を改善するのは至上命題のようで、そのために南オセチア自治州を独立させ、親ロシア国家を作ろうとしている。

2008/08/11 9:55 訂正

正しくは、「グルジアによる南オセチア自治州の併合を阻止し、グルジア国内に親ロシアの自治州を維持する」が、正解のようです。
南オセチアの領土(?)は石油利権と関係の無い場所にあるので、あの場所だけを親ロシアにしても無意味のようです。

結論

以上のことを理解すれば今回の紛争は以下の政治力学が働いていることが分かる。

つまり、以下の2つが組み合わさった戦争と言える。

  • 原油を巡る 西 vs 東 の代理戦争
  • 民族間対立(内戦)の解決を西側諸国に迫る